会社設立後の最初の2年間は消費税を納めなくてよい(=免税事業者)ということを知っている方は多いと思います。でも実は設立直後でも消費税が免税にならない場合があるってご存知でしょうか。

今日は会社を設立した時に気を付けなければいけない、消費税に関するレクチャーです。

消費税を納める義務がある会社ってどんな会社?

そもそもどういう場合に消費税を納める必要があるのでしょうか。消費税を納める義務があるかどうかは、「2年前の売上高(正確には課税売上高)が1,000万円を超えているかどうか」で決まります。

12月決算の会社の場合、2016年分の消費税を納めなければならないかどうかは、2014年の売上高が1,000万円を超えていたかどうかによって決まります。1,000万円超だったら消費税の確定申告をして納税しなければいけないでが、1,000万円以下なら消費税の確定申告も納税も不要です。

では、去年や今年に会社を設立した場合にはどうなるでしょう。2年前は会社は存在していませんでした。この場合、「2年前は会社が存在していない=売上もない」ということになるため、去年や今年に設立された会社については消費税を支払う義務がない(つまり免税事業者)ということになるのです。

これが「会社を設立しても最初の2年間は消費税を払わなくていい」と言われる理由です。

では、設立直後でも消費税を支払う必要がある場合ってどんな場合でしょうか。

設立から2年経っていないのに消費税を納めなければいけないのはどんな場合?

それは、こんな場合です。

  1. 資本金が1,000万円以上で設立された法人
  2. 前の事業年度の上半期(12月決算の場合だと1月~6月)の売上が1,000万円超で、かつ上半期に支払った給与等の総額も1,000万円を超えている場合

そのため、資本金1,000万円以上の法人を設立した場合には、初年度から消費税の確定申告を行う必要があります。

また、12月決算の法人を去年の1月1日に設立した場合、1月から6月の売上が1,000万を超えていて、かつ1~6月に支払った給与の総額が1,000万円以上の場合は、今年から消費税の確定申告を行う必要があります。

2.の基準のポイントは、売上と支払った給与の両方が1,000万円を超えている場合に消費税の確定申告が必要という点になります。つまり、売上か給与の支払額のどちらかが1,000万円以下だった場合には消費税の納税義務はありません。

消費税については、設立後最初の2年間は消費税は納めなくてもいい、ということを知っている方は多いのですが、設立直後でも消費税を納める必要がある場合もあるということはあまり知られていないように思います。

「実は消費税の確定申告をしなければいけなかった!」なんてことにならないように、会社を設立される際には一度、お近くの税理士に相談してみることをお勧め致します(ちなみに確定申告を忘れると、延滞税など余分な税金が課されます)。

今日は会社を設立した際に気を付けなければいけない、消費税に関するレクチャーでした。

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